■リニューアルからすでに数年、しかし時間がたっても色あせないコンセプトワーク

大学のサイトも代わり映えしないと思っていたら、数年前に早稲田大学が他大学に先駆けてWebブランディングを重視したリニューアルを行った。予想を裏切り見事なサイトに生まれ変わった。

●大学も戦国時代。生き抜くためには学生魅了し続ける必要がある。

文科省の方針転換で大学への補助金が大幅削減されたのは周知の事実だ。これは大学も補助金に頼らず自らの存在意義と立ち位置を示し、学生と企業から注目を集め、そして積極的にビジネスを行う必要が出たという事だ。早稲田大学が、こうした教育ビジネス環境の変化に対する施策としてリニューアルを行ったかは不明だが、リニューアルを契機に見事なサイトに仕上がっている。

●色あせないブランディングデザインとメッセージは見事

当初は大学正門から大学構内を歩いていく空気感が感じられる動画がバックに流れていた。これは当時としてはすがすがしく、私の好みとして好きであったが、いまは静止画に収まっている。 しかし、現在も色あせないブランディングデザイン、メッセージは当初のコンセプトワークが如何に優れていたかを示している。デザインとコピーライティングのみで展開する薄っぺらいサイトと違い、全体のサイト構造とコンテンツでブランディングを語っている。

大学のみならず企業のWebブランディングとしても参考にしてほしいサイトといえる。

■優れているポイントは

●ブランディングを構築するコンテンツ設計、そしてデザインとメッセージが分かりやすく、しかも斬新である。

単なるデザインやメッセージでブランディングを行っていない。コンテンツ全体で大学のカルチャーを表現し、さらに学生との関係を表している。わかりやすい全体構成だ。 この構造に追随するようにデザインとメッセージもわかりやすいし、斬新だ。多くがデザインの斬新さは使いにくい、読みにくい構成になる可能性がある。また飽きが生まれる可能性が高いが、この点にも配慮した緻密なデザインになっている思う。

●ユーザインターフェースが分かりやく整理されている。

ユーザインターフェイスも見事だ。メインナビゲーションは実は3つある。上部のターゲット別のメニュー、やはり上部の大学の寄付、活動データなどのメニュー、そしてサイドにある大学のコンセプト、カルチャーを示すメニュー。通常メニューが3分割されているサイトは操作が分かりづらく使い勝手がわるい。この場合は無理にでもグローバルメニュー一つに集約させるのが王道であるが、早稲田大学は3分割メニューを見事に整理している。私からすれば驚愕な設計だ。

他にも優れている点はあるが、本サイトはリニューアル当時のコンセプトワークがしっかりしていることで年数を重ねても色褪せない見本のようなサイトになっている。

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