■カスタマーセンター、ヘルプデスク系のクラウド型ソリューションと言える
カスタマーサービス と言っても実は範囲が広い。大きくは営業系とサービス系に分けられる。

●営業系のカスタマーサービス
営業系は契約維持と次の契約獲得、言うなればアップセルとクロスセルが目的となる。この場合のシステムとしてはCRM(カスタマーリレーショナルマネジメント)が活用ソリューションとなる。

そしてこの手のクラウド系サービスは多く提供されている。営業という決まった活動枠の中で、各社利用するデータもパターン化された営業情報が多いため、共通機能で使えることがクラウド展開の要因だと思う。
●アフターサービス系のカスタマーサービス
CS部門が取り扱う分野で営業とは少し遠い。顧客が現在利用しているサービス、製品に関する利用の質問、アップデートの問合せ、トラブル対応などのサービス窓口がカスタマーサービスとなる。カスタマーセンターやヘルプデスクと呼ばれることが多い。

主には コールセンターの様な組織 で顧客からの電話、メールの問合せ、最近ではチャットで受けて対応することが業務となる。こちらはクラウドサービスは少なく、オンプレミス型のシステムで管理することが多い。なぜなら企業やサービス、顧客の性格、そして企業風土により管理は大きく異なり、パターン化、一律化が難しいからだ。
●アフターサービス系のクラウドソリューションがあった
これまでカスタマーサービス系のソリューションはオンプレミス型が殆どだと、私は思っていた。しかしクラウド型サービスも存在した。それがこれから紹介する「Zendesk」だ。

非常によく考えられたサービスと思う。つまりこのシステムに合わせてカスタマーサービスを行ってもよいと考えてしまう。
■ 「Zendesk」が出来ること
「Zendesk」 デンマークの企業で世界160カ国以上、12.5万社以上で利用されている。顧客とのコミュニケーションを統合管理し、顧客満足度を向上させるシステムだ。主にはカスタマーセンター、ヘルプデスクが対象になる。
これらセクションは電話やメール、チャットなどにより様々な問合せを受けて対応するが、こうしたコミュニケーションと顧客の管理&共有を一元的に行ってくれる。
●複数の個別システムで構成されている。
いくつかの個別サシステムで構成されている。
- SUPPORT
- GUIDE
- CHAT
- TALK
- Connect
- Explore
- Sell
以上の7つのシステムだ。それぞれの機能に関して概要を触れておこう
● SUPPORT

SUPPORTが 「Zendesk」 の中核システムとなる。メール、電話、チャットのなどの問合せコミュニケーション、そして顧客情報の一元管理を行う。
「Zendesk」 は問合せをチケットと言い、このチケットを 「オープン」「保留中」「解決済」というステータスで管理する。つまり大量の問い合わせがあっても、また自社内スタッフの多人数対応であっても、いまどんな状況なのか誰でも把握できる。つまりチーム対応ができるわけだ。またメールなどのテンプレート機能の活用すれば、少人数で大量の顧客メールを処理することも可能だ。
● GUIDE
問合せで蓄積されたナレッジはコンテンツ化をすることができる。例えばFAQやチャットポットでの自動回答に応用可能だ。問合せ管理で蓄積された情報をそのまま編集と活用ができるため、非常に簡単にコンテンツが作成できる。また顧客同士が質問回答する仕組みも構築できる。この中にサポート担当として割り込み対応することも可能だ。
● CHAT

最近急速に普及しているチャットサービスでの対応も可能だ。電話より気楽にメールよりリアルタイムに応答が期待できるため、顧客の評判も高い。またFACEBOOKやLINEなどのSNSで対応する事もできる。
● TALK
「Zendesk」の管理画面で電話の受発信ができる。これにより通話録音と管理も可能となり、さらにメール、チャット、電話などのすべてのコミュニケーションが一元管理できる。
なお 「 Zendesk Suite 」 というパッケージがあり、ここまで説明した4つのシステムがワンパッケージで利用できる。大規模センターなら、こちらを選択したほうが良いだろう。
● Connect
情報分析を元にユーザとのコネクション構築を行うツールとなっている。膨大な全履歴から最適な対応を把握することができるためエージェント(センター担当)のフォローアップ能力を向上させることもできる。
●Explore

Explore は顧客コミュニケーションの記録や顧客情報から解析を行うツールだ。 チームのパフォーマンスを分析したり、業務指標を評価したり、さらにカスタマーエクスペリエンスをより深く理解したりすることができる。Exploreのダッシュボードで様々な分析が可能となる。
● Sell

Sellは 営業が利用するツールだ。カスタマーセンターでのコミュニケーション情報を営業活動に生かすことができる。従来のCRMを一歩進めたものと言える。これによりワンストップな顧客サービス、営業が可能となり企業のエンゲージが飛躍的に高まる。
先に書いたが、かなり優れたソリューションという印象だ。これからCS部門を設置するなら採用すべきソリューションであるが、すでにCS部門があっても、サービスフローを変えて導入する価値はありそうだ。