■企業のマーケティングを一元的に管理する「ADOBE EXPERIENCE CLOUD」
この記事を書いている時点で、マーケティングに関するシステムでは「ADOBE EXPERIENCE CLOUD」が最高峰なのだろう。マーケティングオートメーションと言う言葉では収まらない取扱い範囲である。簡単に言ってしまえば見込み客とのファーストアプローチ、例えば広告やSEO、SNSなどの接点構築から、接点を有効に利用しながら優良見込み客の育成、そして顧客管理などすべて管理できるツールになっている。
●「ADOBE EXPERIENCE CLOUD」1つですべての機能を持っている
ターゲットとの接点をすべてトレース&管理したい場合、通常はMA,CRM、またDSPやDMPなどが必要で、それぞれを得意とするいくつかのシステムを繋ぎ込みながら連携させることになる。
この場合、システムによってはデータ連携が一方通行であったり、連携できない一部のデータもあり、なかなか思うような一元管理ができない。「ADOBE EXPERIENCE CLOUD」は1ソリューションシステムであるため、他よりも連携性が優れていると思われる。
●連携に関して不完全な面もあるようだ。
ただし「思われる」と書いた通り、評判として完全ではないという話も聞いたこともある。もともと、これらシステムは企業買収等により1つのサービスへと進化したため、繋ぎ込みは後付けで構築されている。まだまだデータベース等が完全に一元化できないケースも予想されてる。しかし今後、改善はされていくと思う。
●対象企業は大企業、しかもグローバル企業だろう
マーケティング全般を取り扱うシステムであるため「ADOBE EXPERIENCE CLOUD」は、多機能であり、価格も比例して高額だ。コスト的には大企業が導入対象となり、またシステムの費用対効果、また使いこなしという点ではグローバル企業レベルが適合すると思う。全日空や日産、花王が導入をしているという話を聞いたことがある。
●「ADOBE EXPERIENCE CLOUD」の特徴
- 広告からマーケティングまでマーケティングクラウド(MA)でもっとも充実した機能
- CRM、DMP機能もあり、マーケティングに関する上流から下流まですべてカバー
- 機能と導入コストからグローバル規模の大企業が活用
■「ADOBE EXPERIENCE CLOUD」出来ること
前記の通り、カバー範囲が広く多機能であるため、概要機能のみ説明しよう。「ADOBE EXPERIENCE CLOUD」はおもに以下の機能で構成されている。
機能
●Adobe Analytics(分析/測定機能)
データをアクションにつながるインサイトに転換する優れた分析/測定ツールです。単純なweb分析ではなく、真の顧客インテリジェンスを提供します。
●Adobe Audience Manager(DMP)
Audience Managerのデータ管理プラットフォーム(DMP)では、様々なデータソースのあらゆる顧客データを収集し、単一のプロファイルに統合可能。
●Adobe Experience Manager(CMS)
あらゆるコンテンツを動的かつスムーズに管理し、あらゆるスクリーンとプラットフォームに対応。
●Adobe Campaign(広告管理)
コンテンツを制作したら、Adobe Campaignを使用してあらゆるメール、広告、キャンペーンを一元管理し、自動的に展開。
●Adobe Advertising(広告配信)
TV広告や検索連動型広告、ソーシャル広告など、あらゆるメディアバイイングを単一のプログラマティックプラットフォームで自動化。
●Adobe Target(情報の最適化)
マシンラーニング(機械学習)を利用したテストや最適化をモバイルアプリやwebサイトをまたいで実行できるパーソナライゼーションエンジン。
●Adobe Magento(ECプラットフォーム)
現代的な顧客体験を構築する最新鋭のコマースプラットフォーム。
●Marketo Engagement Platform(MA)
リード管理からアカウントベースドマーケティング(ABM)まで、顧客体験のあらゆる段階で既存顧客や見込客とのエンゲージメントを容易に設計、連携、測定。