■「インクルーシブ・マーケティング」とは
令和になり新しいマーケティング概念「インクルーシブ・マーケティング」と言うものが生まれ注目を集めている。いろいろ調べてみると、大きく二つの考え方があるようだ。一つは「ダイバシティへの対応」等からくる保守的なマーケティング。そして、もう一つは「人びとの多様性を積極的な価値」として捉えた攻め的なマーケティングである。それぞれの解釈を少し掘り下げてみよう。
●「ダイバシティへの対応」からくる保守的なマーケティング
企業の社会的貢献をベースとして障害者、人種、価値観、トランスジェンダ―などの多様なマイノリティ層にもしっかりと対応するという概念として捉える場合がある。言うなれば「ダイバシティへの対応」からくる守り的なブランディングマーケティングと言える。
●「人びとの多様性を価値」とする積極的マーケティング
一方で「人びとの多様性を価値」と捉え一人一人の生活様式、人生に深く関与するサービスを提供する、という積極的な考え方からくるマーケティング概念もある。ワントゥワン・マーケティングの「個別個人へのコミュニケーションマーケティング的アプローチ」を前進させ、生活者の多様性を前提とし、さらに積極的な価値創出でサービスを提供するという考え方だといえる。もう少しわかりやすく言うと限りなくオーダーメイドに近い形ともいえる。
■ネット主体のマーケティング活動による実現できる概念
二つの考え方を「保守的」「積極的」と書いたが、どちらが良いという意味ではなく、両方が重要であり並行して実現すべき事とも言える。いずれにしてもネットを活用したターゲットとのコミュニケーションにより実現できるサービスだ。またデジタルトランスフォーマー実現の発想にも重要なヒントになると勝手ながら感じている。
■「インクルーシブ・マーケティング」の詳細を理解する
まだまだ「インクルーシブ・マーケティング」に関する解説コンテンツは多くはないが、よく整理されているサイトがいくつかあったので以下に紹介する。
●令和に絶対押さえるべきインクルーシブマーケティングとは。事例6選
保守的なマーケティング概念として理解が深まる
●インクルーシブ・マーケティング
電通らしく積極的なマーケティング概念としてまとめられている。事業紹介のページだがわかりやすい
●マーケッター必読!多様性を重視した「Inclusive Marketing」成功の秘訣を米国企業に学ぶ
「インクルーシブな考え方がイノベーションを加速させる」という節が興味深い