■「RPA」とは
「RPA」とはRobotic Process Automationの略称です。ではRobotic Process Automationとはなんでしょうか。
生産現場においてロボットが導入されて数十年が経過し、製造工場の殆どが自動化されていることはご存知の通りです。RPAはこれと同じくデスクワーク、ホワイトカラー業務における自動化の事を言います。
●デスクワークの自動化
オックスフォード大学があと10年で「消える職業」「なくなる仕事」を発表した際には話題になりましたが、なくなる仕事を生む要因としてAIとRPAと考えています。
もう少し具体的に説明すると、デスクワークは大きく2つの作業に分類されます。企画や計画など、様々な情報を元に社内バランスを取りながら検討をするような頭を使うブレインワーク。
請求書の発行、営業リスト作成などの転記的な作業、売上集計、マーケティングレポート等の統計的な数値計算など手を主に活用するハンドワーク。
この二点に分けられますが「ハンドワーク」部分がRPAにとって代わる事になります。
RPAは限定した業界、業務で取って代わるものではなく、すべての業界業務に影響を与えるものです。
●自動化になる具体例
代表例でいうと税理士や会計士は、資産と負債、収支数値を単純に集計する作業から始まります。つまり単純であるが故に、RPAにとって代わります。これは「今後」ではなく始まっています。もちろん会計系ソフトウエアもその一例ですが「freee」というクラウドサービスは会計ソフトからさらに進化した形態と言えます。
例えば主な請求書発行、経費管理、人事労務、給与計算など、会社の収支に関連する機能をすべて持っていて、これを活用する事で結果的に企業会計が出来てしまいます。
ただし、これで税理士や会計士の仕事がなくなると言うのは極論で、税金対策、税制改正に関する対応、経営診断、経営計画など頭を使うブレインワークは残りますしAIでも取って代わるのは難しいと思います。
■マーケティングの「RPA」は?
マーケティングでもRPAは、ゆっくりと浸透していると思います。たとえばWeb解析のレポート作成は、ある意味ではハンドワークです。このレポートを代行するクラウドサービスはすでに浸透しています。
例えばサイト全体の基本的レポートはFARO REPORTで作成できます。
また改善点を発見する「AIアナリスト」も一種のRPAと言えます。こちらのサービスはRPAと人的分析を合わせたサービスが特徴となっていますが、おそらくいずれはAI化されると思われます。
●マーケティングのRPAの方向性
勝手な予想ですが、マーケティングでRPAの影響を受けそうな分野についてピックアップしてみます。
Web解析、SEO分析
前記の通りGoogleアナリティクスデータからWeb解析レポートを作成するツールはすでに活用されています。またSEOについても活用がかなり進んでいます。これはさらなる発展が見込めます。
広告
各広告メディアの統合的な出稿管理、効果測定分析等はすでにRPAが活用されていると考えてよいでしょう。こちらも急速に発展が見込める分野です。おそらく代理店が必要なくなる可能性が近々の内に高まると思います。
調査
調査は様々な手法がありますが、インターネット上に散らばっている各種情報を集めることも「調査」の一種だと思います。自社、他社、そしてカスタマーの情報を自動的に収集&集計&分析する事は簡単に行えます。またすでにそうしたツールサービスが始まっています。
SNS調査
こちらもWeb解析、SEO分析と同じように早くからRPAが活用された分野です。ある種のキーワードに関しての発言でポジティブ、ネガティブ、または急速な発言の増加などをリアルタイムに傾聴することが可能です。
マルチチャネルデータ集計
インターネットデータ、リアル販売データ(POS等)、デジタルサイネージ、ターゲット行動などを集めることは、すでに難しくなく、しかも集計し分析、活用する手法はすでに開発が進んでいます。
■「RPA」関連の参考になるサイト
私がRPAを理解するうえで参考になった記事を如何に紹介します。こちらを一通り閲覧すると間違いなく理解が深まります。